2019/8/31 バイオマス部会 小型バイオガス装置 土塊牧場 視察報告

小型バイオガス装置 土塊牧場 2019年8月31日訪問

タンクを地中に埋めてある(温度管理が容易)
ドイツなどでは地上に置き、中を攪拌させて発酵を促し、断熱材を厚く巻いている。
小型のものだと難しいので、インド、中国などはじめ、ここでも地下に埋めてある。
コンクリートの造成費用が高くなる。

そこで、既存のタンクを援用できないかと、見つけたのが日本酒用の樽
11立米のもの。 中古で10万円で購入できる。
1家庭で1日、だいたい、2立米のガスが必要。
それぐらいを出せるサイズ。

今までは、10立米でシステムで300万円~350万円。(出張交通費など含み)
この樽の使用でどのくらい安くできるか、これから試す。

▼11立米の日本酒タンク

土塊牧場

12立米x2つで24立米が地下に埋めてある。
夏は35度ぐらい、冬でも25度ぐらいが維持されている。

20年ぐらい使っているが、問題は一度も起きていない。
 毎年、同じ時間に同じ量、同じ温度で入れているのがコツ。
 硫化水素が普通発生して脱硫装置が必要だが、ここは発生がほとんどなく、現在は使わないで済むほど。実際に匂いは全くない。

牛糞とお湯を一緒に、樽に入れる。斜めに降りる管を通り、一番底に入る。

 (このお湯は、のちにあるようにバイオガスで沸かした残り)
嫌気性のメタン菌が1ヶ月ぐらいかけて、メタンガスと液肥に変える。

それをガス管から吸い取る。漏れていないか確認するために、紙や粘土や水で浸して泡を確認している。漏れてきてはいない。

表面に浮かぶスカムを崩すために、下から上に液肥が圧力で横の管から上がり、水面を叩く。

タンクよりオーバーフロウした先、メタンの圧力で脇の層に液肥が移る。気体は移動しない。
液肥は全く匂いもしない。良質の肥料になっている。
15hの牧草地に撒く。刈った後に撒く。量は足りない。4分の1ぐらい。
残りの糞尿(尿はアルカリが強い。窒素が多い。アンモニア)も撒く。その他も必要。
(完全に循環できないのは、お乳を取っているからか)

メタンガスの使用

(1)牛舎での使用 まず、ミルク搾乳装置の管の殺菌用のお湯を沸かす。
 使用後のお湯は、子牛用のミルクを温めるのに使う。
 その使用後のお湯は、清掃に使ったり、牛糞をタンクに入れるときに混ぜるぬるま湯に使用する。

(2)自宅での使用 近くの自宅にガス管で移動。炊事、給湯などあらゆるガス利用に使う。ほぼ1年中、賄える。冬のメタンガスが少ない時だけ、プロパンガスを補助利用する。

メタンガスはカロリーベースで都市ガスの半分ぐらい。
だから、コンロの穴などは、倍に広げてある。

他の場所では、生ごみを使っている例もある。
紙や木、骨、フォークなど混ざると問題なので、それをきちんと分別することが必要。
旅館などで、それが可能か?
給食や調理場から限定などなら、質のいい生ゴミが出るのではないか。
コンポスト利用ならもう少し許容できるか。
 (メタンガスが空中に露出してしまうが。。)

生ごみを燃やすために(水分を蒸発させるために)大量に重油を使っているので、それを減らしたい。