活かそう 豊かな水資源
〜自然エネルギーが拓く、地域の未来〜
近年、地球温暖化防止が叫ばれ、私たち一人ひとりの暮らし方が問われる 時代となっています。過剰なエネルギー消費にブレーキをかけ、持続可能な 循環型社会の構築を目指すことは、今を生きる私たちの責務とも言えるでしょう。 大きな被害をもたらした東日本大震災は、もう一度足元のエネルギー源を 見つめ直し、地産地消の分散型エネルギーにシフトしていくことを私たちに 教えてくれました。
県歌 「信濃の国」は、「信濃の国は十州に、境連ぬる国にして そびゆる山は いや高く 流るる川はいや遠し」と詩っています。三つの脊梁アルプスを有する 長野県は日本の屋根とも言われています。流れ出す豊富な水は、幾多の急峻な 谷をきざみ 盆地に流れ込み、松本・伊那・佐久・善光寺ら4つの平を肥沃の 地にして人々に大きな恵みをもたらしてきました。爾来 先人はこの水を使い、 それぞれの地域でエネルギーを造り、電車を走らせ、温泉旅館の動力や照明に 使い、水車を廻して精米や製粉をして、日々暮らしに活かしてきました。
近年、地域共同体が見直されるようになっています。自立的で循環的な地域 づくりには、地域の絆が不可欠です。実は地域の自然エネルギーの利用は、 地域の強化にもつながります。たとえば、農業用水路を利用した小水力発電を 考える場合、農家の人と地域の人々が連携して地域住民全体で守っていくことに つながります。環境への取り組みを地域づくりの核にすることもできるのです。
第5回全国小水力発電サミットのテーマは「、活かそう 豊かな水資源 〜自然 エネルギーが拓く、地域の未来〜」です。私たちはこの地「みすずかる信濃の 里」に集い、小水力を核とした地域の現在と未来のエネルギーと暮らしの在り様 などを議論したいと思います。